みなさんこんにちは、ドキュメンタリー写真家のT-heyです。
今回は富士フイルムのフィルムシミュレーション「クラシッククローム」を使ったストリートスナップの魅力をご紹介します。カスタム設定を活用することで、様々な表情を引き出せるのがこのシミュレーションの特徴。
コンクリートやアスファルト、林、川など、街と自然が織りなす風景を9枚の作例で紹介します。特に、シアン寄りの空の色味が印象的で、クラシッククロームならではの魅力を存分に引き出しています。
当ブログでは主に富士フイルム「Xシリーズ」で撮影した写真作例を多数掲載しています。ぜひ、ブックマークをお願いいたします。
【作例16枚】JPEG撮って出し
※掲載した画像は長辺2000pxにリサイズし、最高画質設定で保存したものです。閲覧環境により読み込みに時間がかかる場合がありますが、1枚1枚じっくりとご覧ください。
カメラセッティング「Kodak Ultramax」風
フジユーザーならお馴染みの「FUJI X WEEKLY」というサイト(スマホアプリもあります)から、「Kodak Ultramax」というプリセットをカメラにセット(手入力)して撮影しました。
- ダイナミックレンジ:400%
- フィルムシミュレーション:クラシッククローム
- ホワイトバランス:AUTO
- WBシフト:R:+1,B:-6
- ハイライトトーン:+2
- シャドウトーン:+2
- カラー:+4
- シャープネス:+2
- 高感度ノイズ低減:-4
- 明瞭度:0
- 点像復元処理:OFF
- カラークローム・エフェクト:OFF
- カラークローム ブルー:OFF
- グレイン・エフェクト:強・大
- スムーススキン・エフェクト:OFF
※絞り、シャッタースピードなどは、各写真の説明欄をご覧ください。
シャドウとハイライトを切り詰めているのでかなりレンジが狭い写りですが、そこがお気に入り。シアン寄りの空色も全フィルムシミュレーションの中で一番好きです。
レトロさがマシマシ。色褪せたフィルム写真のような質感です。
クラシッククロームは無機質な被写体との相性がよいです。
バスの待合所に貼ってあった札。傷んだ木材も時の流れを感じさせてくれてレトロです。
御柱祭のペインティング。夕日に照らされた民家を構図に取り入れて周囲の状況を説明しています。
電線の乱雑さも日本ならではということで。。
退色した橋とブルーシートの質感がよく出ています。クラシッククロームは奥が深い。
空の色と風に揺れるススキが小春日和を感じさせてくれます。
屋内でも蛍光灯の影響を受けにくい窓際で撮影するとエモさが際立ちます。
赤ちゃんポートレートもお届け
ハイキー目で撮影。さわやかな中にも懐かしさを感じる写りです。
少しアンダー目になるとまた違った表情を見せてくれるクラシッククローム。
おもちゃの前ボケがカラフルで楽しい一枚。現代的な写りも楽しめます。
おもちゃに限界まで寄って溶かしました。わずかな色が写真に華やかさをプラスしてくれました。
それにしてもX-T5の瞳AFの精度は凄ましい。
カメラセッティング「Classic Color」
次の1枚は「FUJI X WEEKLY」から、「Classic Color」というプリセットをカメラにセット(手入力)して撮影しました。
- ダイナミックレンジ:400%
- フィルムシミュレーション:クラシッククローム
- ホワイトバランス:5300K
- WBシフト:R:0,B:-6
- ハイライトトーン:-0.5
- シャドウトーン:-2
- カラー:+3
- シャープネス:-2
- 高感度ノイズ低減:-4
- 明瞭度:-2
- 点像復元処理:ON
- カラークローム・エフェクト:強
- カラークローム ブルー:弱
- グレイン・エフェクト:強・小
- スムーススキン・エフェクト:OFF
シャドウ部の階調が豊かになり、マニュアル設定のホワイトバランスで温かみのあるレトロな風合いに。
カメラセッティング「オリジナル」
次の1枚は僕のオリジナルのプリセットです。
- ダイナミックレンジ:400%
- フィルムシミュレーション:クラシッククローム
- ホワイトバランス:晴れ
- WBシフト:R:0,B:0
- ハイライトトーン:-1
- シャドウトーン:-0.5
- カラー:+2
- シャープネス:0
- 高感度ノイズ低減:0
- 明瞭度:0
- 点像復元処理:ON
- カラークローム・エフェクト:OFF
- カラークローム ブルー:OFF
- グレイン・エフェクト:強・大
- スムーススキン・エフェクト:OFF
赤ちゃんポートレートです。あまり設定をいじっていないので、クラシッククロームの素の状態に近い色味。グレイン・エフェクトは強めにかけてフィルムライクな質感をプラスしています。
シャドウ・ハイライトのバランスもなかなかよく取れていると思います。
まとめ
クラシッククロームは、その独特の色調と深みにより、写真表現の幅を広げてくれます。
今回は田舎の街を撮影しましたが、都市景観や無機質な風景でも、クラシッククロームの特徴が最大限に活かされるかと思います。
色彩が控えめでありながらも深みを感じさせ、どこか物憂げな空気感を演出してくれるはずです。これからの季節、寒い情景や寂寥(せいりょう)感のある場所でも、威力を発揮してくれそうな予感がしました。
フィルムシミュレーションは場所や季節感に応じて設定を切り替えることで、同じシーンでもまったく異なる印象を生み出すことができます。
みなさんもぜひさまざまな設定で撮影を楽しんでください。
また、ボケと解像感を両立させた筆者の愛用レンズ「XF33mmF1.4 R LM WR」をまだお持ちでない方は、ぜひ一度その圧倒的な描写力をご体感ください。
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