みなさんこんにちは、ドキュメンタリー写真家のT-heyです。
写真撮影を趣味にしている方なら、モノクロ写真の魅力に一度は心惹かれたことがあるのではないでしょうか?
色情報をそぎ落とし、光と影だけで描かれる世界。その情緒やドラマ性は、見る人の想像力を掻き立ててくれます。
そんなモノクロ写真を手軽に、しかも本格的に楽しめるのが、富士フイルムのフィルムシミュレーション「ACROS」です。
今回は、このACROSを使ったスナップ撮影の魅力を紹介しながら、愛機の「X-T5」と「XF33mmF1.4 R LM WR」がいかにその魅力を引き出すかをお伝えします。
私は過去、各メーカーのカメラボディ約70種類、レンズ約60種類を使い比べてきましたが、機材のスペックを追い求めずに感性を磨こうと、富士フイルムの「X-T5」と「XF33mmF1.4 R LM WR」のみを残して全て売却しました(機材沼からなんとか這い出しました)。
当ブログでは主に富士フイルム「Xシリーズ」で撮影した写真作例を多数掲載しています。ぜひ、ブックマークをお願いいたします。
「ACROS」フィルムシミュレーションとは
ACROSは、富士フイルムが生み出したフィルムシミュレーションのひとつで、同社のモノクロフィルム「NEOPAN 100 ACROS」を再現したものです。
このシミュレーションの最大の特長は、以下の3点にあります:
- 豊かな階調
白から黒までのグラデーションが滑らかで、光の表現が繊細。
- ノイズ感の自然さ
デジタルながら、フィルム時代のノイズの持つ味わいを忠実に再現。
- 緻密なディテール
高解像度センサーとの組み合わせで、被写体の質感をしっかりと描写。
これらの特長により、日常の何気ないシーンでも、どこか映画のワンシーンのような雰囲気を作り出します。
ACROSでスナップ撮影が楽しい理由
ACROSを使うと、自然や街角、ちょっとした日常のシーンが、まるで別世界のように感じられました。
今回は森の中の遊歩道を散歩しながらスナップしたのですが、例えば夕方の逆光を受けるススキやスポット光が当たった木々、フェンスの質感など、色彩がないことで光の強弱が際立ち、瞬間が特別なものに変わります。
私がスナップ撮影を楽しむ中で感じたACROSの魅力は、「特別な準備がなくても非日常的な美しさを引き出せる」こと。撮影後の編集が不要になるくらい、カメラ内で仕上がるクオリティの高さに驚かされます。
【作例紹介】JPEG撮って出し
※掲載した画像は長辺2000pxにリサイズし、最高画質設定で保存したものです。閲覧環境により読み込みに時間がかかる場合がありますが、1枚1枚じっくりとご覧ください。
シャッタースピード:1/6000秒 | 絞り:F1.4 | ISO:500 | -2.7EV | ACROS | WB:晴れ(WC:0,MG:0) | 使用機材:FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
立体感とリアルさが伝わってくる一枚です。
シャッタースピード:1/6400秒 | 絞り:F1.4 | ISO:500 | -1.0EV | ACROS | WB:晴れ(WC:0,MG:0) | 使用機材:FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
大木をシルエットで描きました。
シャッタースピード:1/16000秒 | 絞り:F2.8 | ISO:500 | -2.7EV | ACROS | WB:晴れ(WC:0,MG:0) | 使用機材:FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
遠くに見えるのは八ヶ岳。
シャッタースピード:1/11000秒 | 絞り:F1.4 | ISO:500 | -2.0EV | ACROS | WB:晴れ(WC:0,MG:0) | 使用機材:FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
秋らしいススキの描写。日陰なので立体感はいまひとつですが、林が影になっているのでシルエットは楽しめます。
シャッタースピード:1/5000秒 | 絞り:F1.4 | ISO:500 | -2.0EV | ACROS | WB:晴れ(WC:0,MG:0) | 使用機材:FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
太陽を入れてみましたが、嫌なゴーストがでないので使いやすいレンズです。
シャッタースピード:1/15000秒 | 絞り:F1.4 | ISO:500 | -3.0EV | ACROS | WB:晴れ(WC:0,MG:0) | 使用機材:FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
順光では光が当たった部分が浮かび上がります。
シャッタースピード:1/480秒 | 絞り:F1.4 | ISO:500 | -1.3EV | ACROS | WB:晴れ(WC:0,MG:0) | 使用機材:FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
大木の下にほこらが。
シャッタースピード:1/7500秒 | 絞り:F1.4 | ISO:500 | -0.7EV | ACROS | WB:晴れ(WC:0,MG:0) | 使用機材:FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
葉のディテールが素晴らしい。
シャッタースピード:1/550秒 | 絞り:F1.4 | ISO:500 | -1.3EV | ACROS | WB:晴れ(WC:0,MG:0) | 使用機材:FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
少し露出を明るくすることで(とはいえ-1.3EVですが)、フィルムライクな写りに仕上がりました。
シャッタースピード:1/10500秒 | 絞り:F1.4 | ISO:500 | -1.3EV | ACROS | WB:晴れ(WC:0,MG:0) | 使用機材:FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
柔らかいボケを活かして看板を浮かび上がらせました。
シャッタースピード:1/1500秒 | 絞り:F1.4 | ISO:500 | -2.0EV | ACROS | WB:晴れ(WC:0,MG:0) | 使用機材:FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
フェンスのカーブを使い、構図をとってみました。
シャッタースピード:1/2500秒 | 絞り:F1.4 | ISO:500 | -2.0EV | ACROS | WB:晴れ(WC:0,MG:0) | 使用機材:FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
コントラストが効いています。
シャッタースピード:1/53000秒 | 絞り:F1.4 | ISO:500 | -1.7EV | ACROS | WB:晴れ(WC:0,MG:0) | 使用機材:FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
グラウンドが山の影でシャドーになっていたので、林と空を入れて3分割構図にしました。
シャッタースピード:1/4700秒 | 絞り:F1.4 | ISO:500 | -0.7EV | ACROS | WB:晴れ(WC:0,MG:0) | 使用機材:FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
ボケの立体感で奥行きを演出しました。
シャッタースピード:1/2900秒 | 絞り:F1.4 | ISO:500 | -1.3EV | ACROS | WB:晴れ(WC:0,MG:0) | 使用機材:FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
スポットで当たっている光を狙うと印象的な写真に仕上がります。
シャッタースピード:1/150000秒 | 絞り:F1.4 | ISO:500 | -1.7EV | ACROS | WB:晴れ(WC:0,MG:0) | 使用機材:FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
シャッタースピード:1/40000秒 | 絞り:F1.4 | ISO:500 | -0.7EV | ACROS | WB:晴れ(WC:0,MG:0) | 使用機材:FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
空飛ぶ泥舟=地上約3.5mに浮かぶ茶室です。
シャッタースピード:1/12000秒 | 絞り:F1.4 | ISO:500 | -1.3EV | ACROS | WB:晴れ(WC:0,MG:0) | 使用機材:FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
畑の農作物を獣害から守るフェンス。逆光での撮影で印象的に描けました。
シャッタースピード:1/150000秒 | 絞り:F1.4 | ISO:500 | -2.3EV | ACROS | WB:晴れ(WC:0,MG:0) | 使用機材:FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
こちらも逆光でススキを撮影。光が透過し、背景とよく分離してくれました。
実践! ACROSを活かした撮影テクニック
ACROSでさらに魅力的な写真を撮るためのコツを紹介します。
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- 光を意識する
モノクロでは、色の代わりに光の強弱が写真の雰囲気を決定づけます。逆光や斜光の場面で、印象的な影を活かしましょう。
シャッタースピード:1/18000秒 | 絞り:F1.4 | ISO:500 | -0.7EV | ACROS | WB:晴れ(WC:0,MG:0) | 使用機材:FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
-
- カスタム設定を活用する(今回の設定)
- シャドウトーン:+0.5で引き締まった印象に。
- ハイライトトーン:-1で柔らかな雰囲気を演出。
- シャープネス:-4で硬すぎない描写に。
- 明瞭度:-3でオールドレンズ風の写りを再現。
- ダイナミックレンジ:400%で階調をより豊かに。
- グレイン・エフェクト:「強:大」に設定、フィルムライクな質感に。
- 被写体選び
シンプルな構図ほどACROSの特徴が活きるので、光と影のコントラストが明確なシーンを狙ってみましょう。
シャッタースピード:1/32000秒 | 絞り:F1.4 | ISO:500 | -0.3EV | ACROS | WB:晴れ(WC:0,MG:0) | 使用機材:FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
なぜX-T5とXF33mmF1.4 R LM WRが最適なのか
FUJIFILM X-T5 & XF33mmF1.4 R LM WR
ACROSの魅力を最大限に引き出すために、富士フイルムのカメラ「X-T5」とフジノンレンズ「XF33mmF1.4 R LM WR」をお勧めします。
X-T5の魅力
X-T5は、富士フイルムのミラーレスカメラで、約4000万画素の高解像度センサーを搭載しています。
このセンサーがACROSの階調表現を余すことなく再現。さらに、クラシカルなデザインと直感的な操作性が、撮影体験をより一層楽しいものにしてくれます。
XF33mmF1.4 R LM WRの魅力
XF33mmF1.4 R LM WRは、開放値F1.4の明るいレンズで、美しいボケ味を楽しめます。
標準的な焦点距離(50mm相当)はスナップ撮影に最適。レンズの解像力の高さが、X-T5のセンサーと組み合わさることで、ACROSのディテール描写をさらに引き立ててくれますよ。
まとめ: 写真ライフを彩る選択
富士フイルムのフィルムシミュレーション『ACROS』を使うと、モノクロ写真の世界を手軽に、かつ本格的に楽しむことができます。そして、そのポテンシャルを最大限に引き出すのが「X-T5」と「XF33mmF1.4 R LM WR」の組み合わせ。
このカメラとレンズで撮影すれば、日常の風景が特別なアートに変わる感覚を味わえるはずです。ぜひ一度、この魅力を体感してみてください!
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