みなさんこんにちは、ドキュメンタリー写真家のT-heyです。
今回は富士フイルムのフィルムシミュレーション「クラシッククローム」を基にしたカスタムレシピの作例を掲載します。
参考にしたのはXシリーズのユーザーならお馴染みであろう「FUJI X WEEKLY」というサイト（スマホアプリもあります）。
さまざまなカスタムレシピが無料で紹介されており、サンプルを見るとどれもフィルムライクな写りで目移りしてしまいます。
その中から「Kodak Ultramax」というプリセットをカメラにセット（手入力）し、長野県の諏訪湖周辺でスナップ撮影を楽しんできました。イチョウの木が見頃を迎えていましたよ。
使用した機材は次のとおりです。
- カメラ…クラシックカメラスタイルがかっこいい「X-T5」
- レンズ…換算50mmの大口径単焦点「XF33mmF1.4 R LM WR」
富士フイルムの「JPEG撮って出し」の実力が知りたい方、フィルム写真風のレトロな設定が知りたい方、クラシッククロームの色味が気になる方々の参考になれば幸いです。
当ブログでは主に富士フイルム「Xシリーズ」で撮影した写真作例を多数掲載しています。ぜひ、ブックマークをお願いいたします。
カメラセッティング「Kodak Ultramax」風
- ダイナミックレンジ：400%
- フィルムシミュレーション：クラシッククローム
- ホワイトバランス：AUTO
- WBシフト：R:+1,B:-6
- ハイライトトーン：+2
- シャドウトーン：+2
- カラー：+4
- シャープネス：+2
- 高感度ノイズ低減：-4
- 明瞭度：０
- 点像復元処理：OFF
- カラークローム・エフェクト：OFF
- カラークローム ブルー：OFF
- グレイン・エフェクト：強・大
- スムーススキン・エフェクト：OFF
※絞り、シャッタースピードなどは、各写真の説明欄をご覧ください。
【作例43枚】JPEG撮って出し（一部トリミング有）
それでは作例をたっぷりとご覧ください。
※掲載した画像は長辺2000pxにリサイズし、最高画質設定で保存したものです。閲覧環境により読み込みに時間がかかる場合がありますが、ご了承ください。
シャッタースピード：1/9000秒 | 絞り：F1.4 | ISO：500 | ±0EV | クラシッククローム | WB：AUTO(R:+1,B:-6) | 使用機材：FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
最初に試しに撮ってみた一枚。いきなりフィルムライクな質感で、期待が高まります。シャドウ部の締まりとグレイン・エフェクトの粒状感がいい仕事をしてくれました。
シャッタースピード：1/22000秒 | 絞り：F1.4 | ISO：500 | ±0EV | クラシッククローム | WB：AUTO(R:+1,B:-6) | 使用機材：FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
大口径単焦点レンズ「XF33mmF1.4 R LM WR」のボケ味も相まって渋い写りです。
シャッタースピード：1/26000秒 | 絞り：F1.4 | ISO：500 | +0.7EV | クラシッククローム | WB：AUTO(R:+1,B:-6) | 使用機材：FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR（ちょびトリミング有）
「クラシッククローム」は空色に特徴があるので、青空を入れた写真が多めになっています。標識や木の葉の色味もたまりません。
シャッタースピード：1/6000秒 | 絞り：F1.4 | ISO：500 | +1.0EV | クラシッククローム | WB：AUTO(R:+1,B:-6) | 使用機材：FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
筆者の服がキャッチライトとなり、ひめめの瞳を輝かせてくれました。
シャッタースピード：1/10000秒 | 絞り：F1.4 | ISO：500 | +0.7EV | クラシッククローム | WB：AUTO(R:+1,B:-6) | 使用機材：FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
長野県諏訪地域の特産品かりん。諏訪湖周にたくさん植えられており、砂糖漬けやジャムなどに加工されます。
シャッタースピード：1/40000秒 | 絞り：F1.4 | ISO：500 | ±0EV | クラシッククローム | WB：AUTO(R:+1,B:-6) | 使用機材：FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR（ちょびトリミング有）
フィルムシミュレーションは「クラシックネガ」一択というくらい気に入って使っていたのですが、今回のプリセットがかなりよかったので今後は「クラシッククローム」も楽しめそうです。
シャッタースピード：1/26000秒 | 絞り：F1.4 | ISO：500 | +0.3EV | クラシッククローム | WB：AUTO(R:+1,B:-6) | 使用機材：FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
空を大胆に入れたミニマルな構図で。
シャッタースピード：1/100000秒 | 絞り：F1.4 | ISO：500 | -1.7EV | クラシッククローム | WB：AUTO(R:+1,B:-6) | 使用機材：FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
富士フイルムのカメラはレンズの周辺光量補正をOFFにできないのですが、露出をアンダーにすることでビネットがかかり雰囲気のある写真に仕上がりました。
シャッタースピード：1/99000秒 | 絞り：F1.4 | ISO：500 | -1.7EV | クラシッククローム | WB：AUTO(R:+1,B:-6) | 使用機材：FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR（ちょびトリミング有）
日傘仕様の帽子が鈍い光を放っていました。
シャッタースピード：1/7500秒 | 絞り：F1.4 | ISO：500 | +2.0EV | クラシッククローム | WB：AUTO(R:+1,B:-6) | 使用機材：FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
イチョウの葉が色づき綺麗だったの一枚。人物に露出を合わせるため露出を「+2.0EV」に設定したところ画が破綻しました。笑
葉のボケが空と交わらず、不自然な仕上がりに。。
シャッタースピード：1/7500秒 | 絞り：F1.4 | ISO：500 | +1.0EV | クラシッククローム | WB：AUTO(R:+1,B:-6) | 使用機材：FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
青と黄色のコントラストを楽しもうと撮影しました。
シャッタースピード：1/26000秒 | 絞り：F1.4 | ISO：500 | ±0EV | クラシッククローム | WB：AUTO(R:+1,B:-6) | 使用機材：FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
順光寄りの写真で明暗差が激しいですが、どこか懐かしい写りになったと思います。
シャッタースピード：1/7000秒 | 絞り：F1.4 | ISO：500 | +0.7EV | クラシッククローム | WB：AUTO(R:+1,B:-6) | 使用機材：FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
なんでこの写真を撮ったの？ と聞かれてもうまく答えられません。笑
楽しければいいじゃないですか。趣味の世界は。
シャッタースピード：1/26000秒 | 絞り：F1.4 | ISO：500 | -2.0EV | クラシッククローム | WB：AUTO(R:+1,B:-6) | 使用機材：FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
露出を下げて日光の当たっている部分だけを強調してみました。
シャッタースピード：1/3200秒 | 絞り：F1.4 | ISO：500 | +1.3EV | クラシッククローム | WB：AUTO(R:+1,B:-6) | 使用機材：FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
眠い写りになっていますが、レンズの解像感が高いためフィルムライクというにはちょっと厳しいかな。。
シャッタースピード：1/4400秒 | 絞り：F1.4 | ISO：500 | +0.3EV | クラシッククローム | WB：AUTO(R:+1,B:-6) | 使用機材：FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
電柱に巻き付いていた標識板のみを切り取ってみたら、なかなか印象的な一枚になりました。
シャッタースピード：1/2500秒 | 絞り：F1.4 | ISO：500 | +2.0EV | クラシッククローム | WB：AUTO(R:+1,B:-6) | 使用機材：FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
グラウンドの草と、西陽が当たったフェンスがエモい。
シャッタースピード：1/3000秒 | 絞り：F1.4 | ISO：500 | +0.7EV | クラシッククローム | WB：AUTO(R:+1,B:-6) | 使用機材：FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
ひめめにピントを合わせたため、よめめの顔がピンボケしています。しかし、それがフィルムライクな写りに貢献してくれました。
シャッタースピード：1/4400秒 | 絞り：F1.4 | ISO：500 | +1.7EV | クラシッククローム | WB：AUTO(R:+1,B:-6) | 使用機材：FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
木の影をたくさん入れたかったので斜めに撮影してみました。
シャッタースピード：1/5400秒 | 絞り：F1.4 | ISO：500 | +1.3EV | クラシッククローム | WB：AUTO(R:+1,B:-6) | 使用機材：FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
マレットゴルフの旗とイチョウのコントラストが競演。
シャッタースピード：1/10000秒 | 絞り：F1.4 | ISO：500 | +0.7EV | クラシッククローム | WB：AUTO(R:+1,B:-6) | 使用機材：FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
フェンスの影を印象的に切り取りました。
シャッタースピード：1/1000秒 | 絞り：F2.8 | ISO：500 | +0.3EV | クラシッククローム | WB：AUTO(R:+1,B:-6) | 使用機材：FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
こちらは筆者お得意のリフレクションを使った写真。レイヤーが複雑に重なり合い、不可思議な描写になりました。
シャッタースピード：1/1500秒 | 絞り：F1.4 | ISO：500 | +0.3EV | クラシッククローム | WB：AUTO(R:+1,B:-6) | 使用機材：FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
公衆電話もレイヤー構造に。
シャッタースピード：1/640秒 | 絞り：F2.8 | ISO：500 | ±0EV | クラシッククローム | WB：AUTO(R:+1,B:-6) | 使用機材：FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
上の写真と同じ公衆電話ですが、曇ったガラス越しに撮影したところ紗がかかって雰囲気のある写真になりました。
シャッタースピード：1/5400秒 | 絞り：F2.8 | ISO：500 | -0.7EV | クラシッククローム | WB：AUTO(R:+1,B:-6) | 使用機材：FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
電話ボックスの屋根にあしらわれたNTTのロゴマークがレトロ。
シャッタースピード：1/8500秒 | 絞り：F2.8 | ISO：500 | -1.3EV | クラシッククローム | WB：AUTO(R:+1,B:-6) | 使用機材：FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
枝ぶりがよい木の間から諏訪湖に浮かぶボートを望む。
シャッタースピード：1/4000秒 | 絞り：F2.8 | ISO：500 | ±0EV | クラシッククローム | WB：AUTO(R:+1,B:-6) | 使用機材：FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
シアン寄りの空色が美しい。
シャッタースピード：1/53000秒 | 絞り：F1.4 | ISO：500 | -0.7EV | クラシッククローム | WB：AUTO(R:+1,B:-6) | 使用機材：FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
アンダーにした空色も素敵です。
シャッタースピード：1/32000秒 | 絞り：F1.4 | ISO：500 | ±0EV | クラシッククローム | WB：AUTO(R:+1,B:-6) | 使用機材：FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
長く伸びた影が秋の切なさを感じさせてくれます。
シャッタースピード：1/20000秒 | 絞り：F1.4 | ISO：500 | +0.7EV | クラシッククローム | WB：AUTO(R:+1,B:-6) | 使用機材：FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
イチョウの葉を順光で色鮮やかに捉えました。標識の青と空の青の対比もおもしろい。
シャッタースピード：1/10500秒 | 絞り：F1.4 | ISO：500 | +1.3EV | クラシッククローム | WB：AUTO(R:+1,B:-6) | 使用機材：FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
もう少し画が暴れてくれた方がフィルム写真に近づくと思いましたね。
シャッタースピード：1/1600秒 | 絞り：F2.8 | ISO：500 | +0.7EV | クラシッククローム | WB：AUTO(R:+1,B:-6) | 使用機材：FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
若干絞って背景の湖と草の気配を強めました。
シャッタースピード：1/7000秒 | 絞り：F2.8 | ISO：500 | ±0EV | クラシッククローム | WB：AUTO(R:+1,B:-6) | 使用機材：FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
シャッタースピード：1/10000秒 | 絞り：F2.8 | ISO：500 | ±0EV | クラシッククローム | WB：AUTO(R:+1,B:-6) | 使用機材：FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
シャッタースピード：1/18000秒 | 絞り：F1.4 | ISO：500 | +0.7EV | クラシッククローム | WB：AUTO(R:+1,B:-6) | 使用機材：FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
この淡さがなんかいい。。
シャッタースピード：1/28000秒 | 絞り：F1.4 | ISO：500 | ±0EV | クラシッククローム | WB：AUTO(R:+1,B:-6) | 使用機材：FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
流木も入れてみました。
シャッタースピード：1/25000秒 | 絞り：F1.4 | ISO：500 | +0.7EV | クラシッククローム | WB：AUTO(R:+1,B:-6) | 使用機材：FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
はかなげな雰囲気がお気に入りの一枚。
シャッタースピード：1/7000秒 | 絞り：F1.4 | ISO：500 | +1.0EV | クラシッククローム | WB：AUTO(R:+1,B:-6) | 使用機材：FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
この写真は結構フィルムライクじゃないでしょうか。粒状感が結構効いていてたまりません。
シャッタースピード：1/53000秒 | 絞り：F1.4 | ISO：500 | -0.7EV | クラシッククローム | WB：AUTO(R:+1,B:-6) | 使用機材：FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
シンプルな構図で防災行政無線を切り取りました。
「FUJI X WEEKLY」のサンプル画像は空やアメリカンなレトロな建物が多いので雰囲気が抜群。その辺りをめざして撮ってみました。
シャッタースピード：1/12000秒 | 絞り：F1.4 | ISO：500 | -0.3EV | クラシッククローム | WB：AUTO(R:+1,B:-6) | 使用機材：FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
コスモスも最終盤。最後の力を振り絞って咲いていました。
シャッタースピード：1/75000秒 | 絞り：F1.4 | ISO：500 | -1.3EV | クラシッククローム | WB：AUTO(R:+1,B:-6) | 使用機材：FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
シャッタースピード：1/1900秒 | 絞り：F1.4 | ISO：500 | -1.0EV | クラシッククローム | WB：AUTO(R:+1,B:-6) | 使用機材：FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
光沢のある植物をアンダー目に撮るのが好きです。
シャッタースピード：1/50000秒 | 絞り：F1.4 | ISO：500 | -1.3EV | クラシッククローム | WB：AUTO(R:+1,B:-6) | 使用機材：FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
クラシッククロームが渋く、柿を描いてくれました。まさに渋柿w
まとめ：フジは無限に遊べるぞぃ
クラシッククロームのカスタムレシピ「Kodak Ultramax」を試しました。
失敗写真もありましたが、はまると本当にフィルムで撮ったようなエモさが再現できて感動しました。
富士フイルムのフィルムシミュレーションは記事執筆時点で全20種類ですが、「FUJI X WEEKLY」のレシピを活用したり、自分で設定を作り上げていくことで無限に遊べるのではないかと感じました。
筆者はこれまで色々なフィルムシミュレーションを試してきたので、自分なりの設定がほぼ固まってきてはいたのですが、今回の撮影を通じてカスタム設定おもしろさを再認識。
フィルムシミュレーション沼にはまってしまいそうです。
とはいえ、設定変更は無料かつ無制限にできるので、いろいろなメーカーのカメラを買い集めるよりはるかに経済的で満足度も高いと思います。
みなさんもぜひお気に入りのカスタムレシピを見つけてみてください。
それではまた。よいフォトライフをお送りください。
今回使用したカメラ・レンズ
筆者の愛機富士フィルム「X-T5」＆「フジノンレンズXF33mmF1.4 R LM WR」
今回の撮影にはメイン機の「X-T5」と「XF33mmF1.4 R LM WR」を使用しています。「X-T5」は必要な機能が全部入りの万能機。「XF33mmF1.4 R LM WR」は優等生的でありながらハイライトにやわらかなフレアが生まれ、オールドレンズのようにも楽しめるおすすめレンズです。
-
X-T5の魅力
・クラシカルなデザインと直感的な操作
・多彩なフィルムシミュレーション（全20種類）搭載
・バッテリー持ちがよい（約740枚） -
XF33mmF1.4 R LM WRの魅力
・開放F1.4による柔らかなボケとハイライトのフレア
・近接に強い（最短撮影距離約30cm）
・金属鏡筒で質感が高い
コメント