みなさんこんにちは。ドキュメンタリー写真家のT-heyです。
今回は「富士フイルム」のフィルムシミュレーションを風景撮影で全種類比較してみましたので、作例をご覧ください。
フィルムシミュレーションとは…
富士フイルムのフィルムシミュレーションは、同社の長年にわたるフィルム開発の経験と技術を活かした、デジタルカメラ向けの画像処理機能です。
撮影意図に合わせてフォルムシミュレーションを選択することで発色やコントラストが変化。誰でも簡単にプロが撮影したような印象的な写真に仕上げることが可能です。
RAW現像の手間をかけずに「JPEG撮って出し」で作品が完成し、専用のアプリでカメラとスマホを繋げば、すぐに友達や家族、SNSで思い出を共有して楽しめます。
2024年10月現在、フィルムシミュレーションは全20種類とバリエーション豊富に用意されています。
今回の使用機材
- X-T5
- XF33mmF1.4 R LM WR
撮影状況
- 天気:晴れ(サイド光)
- 被写体:青空と湖と山並み
カメラ設定
- 露出モード:絞り優先オート(A)
- 測光モード:マルチ
- シャッタースピード:1/38000
- 絞り値:F1.4
- ISO感度:ISO500
- 露出補正:0.7
- ダイナミックレンジ:100%
- ホワイトバランス:晴れ
- WBシフト:R:0,B:0
- ハイライトトーン:0
- シャドウトーン:0
- カラー:0
- シャープネス:0
- ノイズリダクション:0
- 明瞭度:0
- 点像復元処理:ON
- カラークローム・エフェクト:OFF
- カラークローム・ブルー:OFF
- グレイン・エフェクト:OFF
- スムーススキン・エフェクト:OFF
- フォーカスモード:AF-C
- シャッター方式:ES 電子シャッター
作例【全20種類の比較とそれぞれの特徴】
写真素材は「RAW」データで撮影し、富士フイルムの純正現像ソフト「FUJIFILM X RAW STUDIO」でフィルムシミュレーションのみを変更しました。
「FUJIFILM X RAW STUDIO」についてはこちらの記事もご覧ください。
説明文は公式WEBサイトより引用しています。
【PROVIA/スタンダード】
プロ用のリバーサルフィルムのスタンダードタイプ「フジクローム・プロビア」がベース。
多くの方が心地よく感じる色再現を追求し、風景から人物まで、あらゆる被写体に対応するオールマイティなフィルムシミュレーションです。
【Velvia/ビビッド】
プロ用超高彩度リバーサルフィルム「フジクローム・ベルビア」がベース。
スタンダードな「プロビア」に対し、風景写真家が期待する鮮やかでメリハリのあるイメージカラーが特徴です。
【ASTIA/ソフト】
ファッション・ポートレート撮影での使用を想定して設計されたリバーサルフィルム「フジクローム・アスティア」がベース。
ソフトで忠実な肌再現と鮮やかな青空や緑の両立を目指しており、扱いやすいフィルムシミュレーションです。
【クラシッククローム】
20世紀のグラフジャーナル誌に使われた写真のような色再現を目指したフィルムシミュレーションです。
彩度は低め、暗部の諧調を硬めに設計されており、ドキュメンタリータッチでリアリズムを求める写真を撮る際などに最適です。
【REALA ACE】
世界初の「第4の感色層技術」を導入したネガフィルム[REALA ACE]がベース。目で見たままに近い忠実な色再現を目指し様々なシーンにおいて使いやすくしながらも、諧調にメリハリを持たせることで立体的な表現が得られます。
【PRO Neg. Hi】
プロ用ネガフィルム「PRO160NH」がベース。
PRO Neg.Stdよりも階調がやや硬く、屋外など凝ったライティングが出来ないシチュエーションでのポートレート撮影に適しているフィルムシミュレーションです。
フラットなライティング下でも適度な陰影が得られます。
【PRO Neg. Std】
プロ用ネガフィルム「PRO160NS」がベース。
階調と肌色の柔らかさが特徴で、作りこまれたライティングでのポートレート撮影に適しています。
また、ニュートラルな階調により、撮影後に画像加工を行う際にも最適なフィルムシミュレーションです。
【クラシックネガ】
スナップシューターに愛用されてきたネガフィルム「SUPERIA」がベース。
メリハリのある階調と、彩度を抑えつつも明部と暗部の色味を変えることで深みを増した色で、立体的な表現が得られます。
【ノスタルジックネガ】
カラー写真が作品として使用され始めた1970年代の写真集での「アメリカンニューカラー」のような色再現を目指したフィルムシミュレーションです。ハイライトはアンバーに味付けしつつシャドウ部も色乗りが良く、スナップ写真などに適しています。
【ETERNA/シネマ】
映画用フィルム「ETERNA」がベース。
特定の色が主張しすぎないように彩度はおさえめ、急な白飛びや黒つぶれを防ぐハイエストとディープシャドウの非常に柔らかい階調により、 “シネマ・ルック “を実現しています。
【ETERNA ブリーチバイパス】
動画用フィルムシミュレーションETERNAに、多くの映像作家に支持されている “銀残し “のフィルム現像効果を適用。
高コントラストでありつつも彩度は低く仕上げられた画は重厚感があり、ドラマチックな映像の撮影に適しています。
【ACROS】
“世界最高の粒状性 ” と称賛されたモノクロフィルム「ACROS」がベース。
豊かなシャドウディテール、高精細なシャープネスに加え、高感度では粒状性が増し、モノクロフィルムのような質感が得られます。
【モノクロ】
モノクロ写真のモードです。通常のモノクロに加えて、コントラストを高める「イエロー(Ye)フィルター」「レッド(R)フィルター」、緑色を明るく・赤色を濃く表現する「グリーン(G)フィルター」を使ったように表現意図に合わせた画質調整が可能です。
【セピア】
時間が経ち色あせた写真を再現したモードです。レトロ感やノスタルジックな雰囲気を演出したい場合に適しています。
まとめ:青空のおすすめは「クラシッククローム」
風景でのフィルムシミュレーション比較、いかがでしたか?
主に青空の発色が個性的だったのは「クラシッククローム」ですね。シアンがかった青色がどこか懐かしい雰囲気を演出してくれるのでおすすめです。
そのほかのシミュレーションもすべてが実用的。どれを選んでも失敗しない富士フイルムの画づくりのノウハウに脱帽です。
とはいえ、フィルムシミュレーションとマッチしない被写体に遭遇したこともありますので、こちらの記事もご覧ください。
今後もさまざまなシーンでフィルムシミュレーション比較記事を書いていきたいと思います。ぜひ、ブックマークをお願いします。
富士フイルム「Xシリーズ」での作例集はこちらもご覧ください。
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