みなさんこんにちは、ドキュメンタリー写真家のT-heyです。
富士フイルムのフィルムシミュレーションきれいめカスタム設定で、散歩がてら近所の自然などをスナップしてきましたので、作例と合わせてレシピをご紹介します。
今回はきれいめカスタムなので、紅葉などを美しく表現するために「グレイン・エフェクト」(粒状感をプラスする機能)はOFFにしてみました。
美しい写真を撮るなら他のメーカーを使えばよいと思っているたちなので、普段富士フイルムを使うときは粒状感を入れているのですが、たまにはいつもと違うことをやってみようと思いたちました。
FUJIFILMのフィルムシミュレーションカスタムに興味のある方、私の愛機「X-T5」&「XF33mmF1.4 R LM WR」の写りが気になる方はぜひご覧ください。
それではどうぞ。
私は過去、各メーカーのカメラボディ約70種類、レンズ約60種類を使い比べてきましたが、機材のスペックを追い求めずに感性を磨こうと、富士フイルムの「X-T5」と「XF33mmF1.4 R LM WR」のみを残して全て売却しました(機材沼からなんとか這い出しました)。
当ブログでは主に富士フイルム「Xシリーズ」で撮影した写真作例を多数掲載しています。ぜひ、ブックマークをお願いいたします。
【作例24枚】(JPEG撮って出し)
フィルムシミュレーションの中から「クラシックネガ」と筆者が普段あまり使わない「Velvia/ビビッド」と「PRO Neg. Hi」での作例も掲載しています。
※掲載した画像は長辺2000pxにリサイズし、最高画質設定で保存したものです。閲覧環境により読み込みに時間がかかる場合がありますが、1枚1枚じっくりとご覧ください。
【Velvia/ビビッドでの作例】
シャッタースピード:1/5400秒 | 絞り:F1.4 | ISO:500 | -1.7EV | Velvia/ビビッド | WB:晴れ(R:0,B:0) | 使用機材:FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
庭の紅葉を「Velvia/ビビッド」で鮮やかに切り取りました。色が濃すぎるイメージがあったので食わず嫌いしていましたが、鮮やかさが紅葉の印象を強めてくれてよい感じに撮れました。
シャッタースピード:1/480秒 | 絞り:F5.6 | ISO:500 | -1.7EV | Velvia/ビビッド | WB:晴れ(R:0,B:0) | 使用機材:FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
続いてグリーンを。光沢紙にプリントしたようなビビッドさ。
シャッタースピード:1/7000秒 | 絞り:F1.4 | ISO:500 | +1EV | Velvia/ビビッド | WB:晴れ(R:0,B:0) | 使用機材:FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
家の壁を背景にして「南天」の実をシンプルな構成に仕上げてみました。くすんだ赤もよい感じに表現できます。
シャッタースピード:1/11000秒 | 絞り:F1.4 | ISO:500 | -3.0EV | Velvia/ビビッド | WB:晴れ(R:0,B:0) | 使用機材:FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
色づいた葉をローキーにして切り取りました。1枚前の写真と対比して楽しむ設計です。
シャッタースピード:1/750秒 | 絞り:F8.0 | ISO:500 | -1.7EV | Velvia/ビビッド | WB:晴れ(R:0,B:0) | 使用機材:FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
八ヶ岳を匂わせつつ、オレンジ色に色づいた木々を撮影。「X-T5」と「XF33mmF1.4 R LM WR」の解像性能がディティールを鮮やかに写し出してくれます。
シャッタースピード:1/1000秒 | 絞り:F8.0 | ISO:500 | -1.7EV | Velvia/ビビッド | WB:晴れ(R:0,B:0) | 使用機材:FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
いままでコントラスト高すぎだと思っていましたが、それゆえに「JPEG撮って出し」で印象的な写真に仕上がるのだと感じました。
シャッタースピード:1/200秒 | 絞り:F8.0 | ISO:500 | -2.3EV | Velvia/ビビッド | WB:晴れ(R:0,B:0) | 使用機材:FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
撮影日は11月17日でしたが、非常に暖かく歩きながらスナップしていると少し汗ばむほど。
紅葉も遅れているみたいです。紅葉と夏のような濃緑色の葉を対比して楽しめるのがおもしろかったです。
シャッタースピード:1/1100秒 | 絞り:F8.0 | ISO:500 | -1.0EV | Velvia/ビビッド | WB:晴れ(R:0,B:0) | 使用機材:FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
色が少ないのでVelviaの恩恵が受けられなかった作例w
シャッタースピード:1/7000秒 | 絞り:F1.4 | ISO:500 | -1.7EV | Velvia/ビビッド | WB:晴れ(R:0,B:0) | 使用機材:FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
開放F1.4でハンドルが立体的に浮かび上がりました。
シャッタースピード:1/17000秒 | 絞り:F1.4 | ISO:500 | -1.7EV | Velvia/ビビッド | WB:晴れ(R:0,B:0) | 使用機材:FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
モノクロのようですがVelviaです。
コントラストの強さから、滝と水泡だけが浮かび上がりました。
シャッタースピード:1/10000秒 | 絞り:F1.4 | ISO:500 | -2.7EV | Velvia/ビビッド | WB:晴れ(R:0,B:0) | 使用機材:FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
-2.7EVの補正をかけてススキの穂を強調しました。ちょっと暗すぎ?笑
シャッタースピード:1/4000秒 | 絞り:F1.4 | ISO:500 | -1.7EV | Velvia/ビビッド | WB:晴れ(R:0,B:0) | 使用機材:FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
Velviaですが派手過ぎず、よい色味に仕上がりました。
シャッタースピード:1/2200秒 | 絞り:F1.4 | ISO:500 | -1.7EV | Velvia/ビビッド | WB:晴れ(R:0,B:0) | 使用機材:FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
ゴツゴツした樹皮とツタの鮮やかさがリアル。
シャッタースピード:1/250秒 | 絞り:F8.0 | ISO:500 | +0.7EV | Velvia/ビビッド | WB:晴れ(R:0,B:0) | 使用機材:FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
使われなくなった古い鉄橋とグリーンの葉の対比で、時の流れを感じる一枚になりました。
シャッタースピード:1/350秒 | 絞り:F8.0 | ISO:500 | +0.7EV | Velvia/ビビッド | WB:晴れ(R:0,B:0) | 使用機材:FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
枝のテクスチャの中に枯葉をレイアウト。
シャッタースピード:1/1900秒 | 絞り:F1.4 | ISO:500 | -2.7EV | Velvia/ビビッド | WB:晴れ(R:0,B:0) | 使用機材:FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
露出のマイナス補正で画面から影の部分を引き算するとより印象的な写真に仕上がります。
シャッタースピード:1/2000秒 | 絞り:F1.4 | ISO:500 | -1.7EV | Velvia/ビビッド | WB:晴れ(R:0,B:0) | 使用機材:FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
人工物と自然の対比。
【クラシックネガでの作例】
シャッタースピード:1/550秒 | 絞り:F8.0 | ISO:500 | ±0EV | クラシックネガ | WB:晴れ(R:0,B:0) | 使用機材:FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
こちら「クラシックネガ」での作例です。
色味の少ない写真でもその違いがわかるくらい特徴的。やっぱりクラネガ最高でした。
シャッタースピード:1/800秒 | 絞り:F8.0 | ISO:500 | -0.3EV | クラシックネガ | WB:晴れ(R:0,B:0) | 使用機材:FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
クラシックネガはコントラストが高めなので、この写真の状況でハイライトを保持しようとすると、どうしてもローキーの写真になってしまいます。
鮮やかさや階調で勝負できない分、印象的に仕上げるには構図取りがカギになります。
モノクロ撮影で訓練するのもアリですね。
【PRO Neg. Hiでの作例】
シャッタースピード:1/680秒 | 絞り:F8.0 | ISO:500 | -0.7EV | PRO Neg. Hi | WB:晴れ(R:0,B:0) | 使用機材:FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
フィルムシミュレーションの紹介らしからぬ写真ですがご了承くださいw 色がない。。
シャドーの硬さはわかるのではないでしょうか。クラシックネガはもう少し階調が残ります。
シャッタースピード:1/7000秒 | 絞り:F1.4 | ISO:500 | -2.0EV | PRO Neg. Hi | WB:晴れ(R:0,B:0) | 使用機材:FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
「PRO Neg. Hi」は渋めの色味が特徴。
シャドーが硬過ぎてうまく使えていませんでしたが、こういった無機質な被写体にはマッチします。
シャッタースピード:1/16000秒 | 絞り:F1.4 | ISO:500 | -1.0EV | PRO Neg. Hi | WB:晴れ(R:0,B:0) | 使用機材:FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
巨大な柱の迫力が伝わると嬉しいです。
シャッタースピード:1/7500秒 | 絞り:F1.4 | ISO:500 | -1.0EV | PRO Neg. Hi | WB:晴れ(R:0,B:0) | 使用機材:FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
開放F1.4で前ボケを入れ、巨大構造物の存在感を強めました。
シャッタースピード:1/4000秒 | 絞り:F1.4 | ISO:500 | -1.0EV | PRO Neg. Hi | WB:晴れ(R:0,B:0) | 使用機材:FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
色が薄めでコントラストが高めなのが「PRO Neg. Hi」です。
作例は以上です。
カスタム設定紹介
今回の設定は以下のとおり。基本設定は同じで、フィルムシミュレーションのみを変更しています。
- フィルムシミュレーション:Velvia , クラシックネガ , PRO Neg. Hi を使い分け
- ダイナミックレンジ:400%
- ホワイトバランス:晴れ(R:0,B:0)
- ハイライトトーン:-1.5
- シャドウトーン:-0.5
- カラー:0
- シャープネス:0
- 高感度ノイズ低減:0
- 明瞭度:0
- 点像復元処理:ON
- カラークローム・エフェクト:弱
- カラークローム ブルー:弱
- グレイン・エフェクト:OFF
設定ポイント
- 今回はコントラストが強いフィルムシミュレーションをセレクトしたので、ダイナミックレンジを400%に設定。ハイライトを-1.5に下げることで白飛びを軽減させています。
- シャドウトーンはあまりマイナスに補正しすぎると印象が弱い写真になってしまうので、軽めに調整しています。
- 自然を撮影するときはホワイトバランスを「晴れ」に設定するのが基本。温かみをプラスしたい場合はお好みで「日陰」にしてもよいでしょう。
- Velviaの高い彩度による色飽和を軽減させるため、色の輝度を下げるカラークローム・エフェクトを「弱」でかけています(「強」で鮮やかな被写体が多い写真を撮ると、全体的に暗い印象になってしまいます)。
- 自然の美しさを表現するためグレイン・エフェクト(粒状感)はOFFにしました。
まとめ:フジのカメラの表現力は無限大
富士フイルムといえば、フィルムシミュレーションのカスタム設定や粒状感を加えたレトロな写りを楽しむカメラというイメージが強いかと思いますが、他メーカーのように高精細で美しい写真を撮ることももちろんできます。
この幅広い表現力が富士フイルムの魅力。
みなさんも設定を色々といじりながらカスタムレシピを作るのもよいですが、混じりっ気のないフィルムシミュレーション本来の色味もぜひ試してみてください。
それではよいフォトライフを〜。
今回使用したカメラ・レンズ
- 富士フイルム「X-T5」
- フジノンレンズ「XF33mmF1.4 R LM WR」
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