富士フイルムのフィルムシミュレーション徹底解説! 全種類の特徴と作例でわかる選び方
旅日記(実写レビュー)
2024.12.252024.12.26
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みなさんこんにちは、ドキュメンタリー写真家のT-heyです。
僕は富士フイルムのカメラを愛用していますが、その中でも魅力的なのが「フィルムシミュレーション」。愛機の「X-T5」や最新の「X-M5」など、ミラーレスカメラで撮る写真に、フィルム時代の味わいや独特の雰囲気を簡単に加えられます。
この記事では、全種類のフィルムシミュレーションについて、それぞれの特徴と作例を紹介しつつ、どんなシーンで使うと効果的なのかを詳しく解説します。
私は過去、各メーカーのカメラボディ約70種類、レンズ約60種類を使い比べてきましたが、機材のスペックを追い求めずに感性を磨こうと、富士フイルムの「X-T5」と「XF33mmF1.4 R LM WR」のみを残して全て売却しました(その後、厳選した機材を若干 追加しています)。 当ブログでは主に富士フイルム「Xシリーズ」で撮影したJPEG撮って出しの写真作例を多数掲載しています。ぜひ、ブックマークをお願いいたします。
フィルムシミュレーションの全種類と特徴・作例
ここではフィルムシミュレーションの特徴を一つずつ丁寧に解説します。
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※掲載した画像は長辺2000pxにリサイズし、最高画質設定で保存したものです。閲覧環境により読み込みに時間がかかる場合がありますが、1枚1枚じっくりとご覧ください。
PROVIA/スタンダード
シャッタースピード:1/8000秒 | 絞り:F2.2 | ISO:200 | PROVIA/スタンダード | WB:晴れ(R0,B0) | 使用機材:FUJIFILM X-Pro2 + XF50mmF2 R WR
シャッタースピード:1/60秒 | 絞り:F2.0 | ISO:200 | -2.0EV | PROVIA/スタンダード | WB:晴れ(R:0,B:0) | 使用機材:FUJIFILM X100V
シャッタースピード:1/60秒 | 絞り:F2.0 | ISO:160 | -2.0EV | PROVIA/スタンダード | WB:晴れ(R:0,B:0) | 使用機材:FUJIFILM X100V
シャッタースピード:1/1600秒 | 絞り:F4.0 | ISO:200 | -1.3EV | PROVIA/スタンダード | WB:日陰(R:0,B:0) | 使用機材:FUJIFILM X100F
特徴:自然な色再現と汎用性の高いスタイル。
解説:初心者におすすめで、どのような場面でも無難に使える。
Velvia/ビビッド
シャッタースピード:1/5400秒 | 絞り:F1.4 | ISO:500 | -1.7EV | Velvia/ビビッド | WB:晴れ(R:0,B:0) | 使用機材:FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
特徴:色が鮮やかで、特に夕焼けや紅葉など色彩が際立つ風景写真に最適。
解説:「風景を劇的に表現したい人向け」。
ASTIA/ソフト
シャッタースピード:1/1100秒 | 絞り:F1.4 | ISO:125 | ±0EV | ASTIA/ソフト | WB:晴れ(R:0,B:0) | 使用機材:FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR カメラ内RAW現像
特徴:柔らかなトーンと肌色再現が美しい。
解説:肌の質感を大切にしたいときに最適。
クラシッククローム
シャッタースピード:1/2200秒 | 絞り:F1.4 | ISO:500 | -0.7EV | クラシッククローム | WB:日陰(R:+1,B:-6) | 使用機材:FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
シャッタースピード:1/20000秒 | 絞り:F1.4 | ISO:500 | +0.7EV | クラシッククローム | WB:AUTO(R:+1,B:-6) | 使用機材:FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
特徴:淡い色調と深みのあるトーンで、レトロな雰囲気。
解説:ヴィンテージ感を出したいときに。
REALA ACE
シャッタースピード:1/2500秒 | 絞り:F1.4 | ISO:500 | ±0EV | REALA ACE | WB:AUTO(R:0,B:0) | 使用機材:FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
特徴:自然な色再現と豊かな階調。
解説:忠実な色再現を求めるユーザー向け。
PRO Neg. Hi & Std
シャッタースピード:1/16000秒 | 絞り:F1.4 | ISO:500 | -1.0EV | PRO Neg. Hi | WB:晴れ(R:0,B:0) | 使用機材:FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
シャッタースピード:1/1900秒 | 絞り:F1.4 | ISO:125 | -1.7EV | PRO Neg. Std | WB:晴れ(R:0,B:0) | 使用機材:FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
特徴:自然な肌色が特徴で、Hiはコントラスト高め、Stdは柔らかめ。
解説:プロのポートレート撮影にも使えるシミュレーション。
クラシックネガ
シャッタースピード:1/200秒 | 絞り:F1.4 | ISO:3200 | +0.7EV | クラシックネガ | WB:晴れ(R:+1,B:-3) | 使用機材:FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
シャッタースピード:1/640秒 | 絞り:F1.4 | ISO:640 | クラシックネガ | WB:AUTO(R0,B0) | 使用機材:FUJIFILM X-T4 + XF18mmF1.4 R LM WR
特徴:懐かしいフィルム写真の色調。家族写真や日常風景に最適。
解説:日常の記録にレトロな雰囲気を加えられる。
ノスタルジックネガ
シャッタースピード:1/ 4700秒 | 絞り:F1.4 | ISO:500 | -0.7EV | ノスタルジックネガ | WB:AUTOホワイト優先(R:+2,B:-4) | 使用機材:FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
シャッタースピード:1/20000秒 | 絞り:F1.4 | ISO:500 | -1.0EV | ノスタルジックネガ | WB:晴れ(R:0,B:0) | 使用機材:FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
シャッタースピード:1/200秒 | 絞り:F4.0 | ISO:500 | -3.3EV | ノスタルジックネガ | WB:晴れ(R:0,B:0) | 使用機材:FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
シャッタースピード:1/11000秒 | 絞り:F1.4 | ISO:500 | +0.7EV | ノスタルジックネガ | WB:AUTOホワイト優先(R:+2,B:-4) | 使用機材:FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
特徴:やわらかい色調と暖かみのあるトーン。
解説:温かみのある懐かしい表現が得意。
ETERNA/シネマ
シャッタースピード:1/120秒 | 絞り:F1.4 | ISO:125 | -0.3EV | ETERNA/シネマ | WB:蛍光灯1(R:-3,B:-1) | 使用機材:FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
シャッタースピード:1/340秒 | 絞り:F1.4 | ISO:125 | -0.7EV | ETERNA/シネマ | WB:蛍光灯1(R:-3,B:-1) | 使用機材:FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
シャッタースピード:1/2000秒 | 絞り:F1.4 | ISO:500 | -0.3EV | ETERNA/シネマ | WB:晴れ(R:0,B:0) | 使用機材:FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
特徴:映画のような淡い色と低コントラスト。
解説:映像的な質感を求めるときにおすすめ。
ETERNA ブリーチバイパス
シャッタースピード:1/12000秒 | 絞り:F1.4 | ISO:125 | -0.7EV | ETERNA ブリーチバイパス | WB:晴れ(R:0,B:0) | 使用機材:FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
シャッタースピード:1/200秒 | 絞り:F1.4 | ISO:125 | +0.3EV | ETERNA ブリーチバイパス | WB:晴れ(R:0,B:0) | 使用機材:FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
特徴:コントラストが高く、彩度が低め。
解説:緊張感や重厚感を表現したいときに。
ACROS
シャッタースピード:1/550秒 | 絞り:F1.4 | ISO:500 | -1.3EV | ACROS | WB:晴れ(WC:0,MG:0) | 使用機材:FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
シャッタースピード:1/2900秒 | 絞り:F1.4 | ISO:500 | -1.3EV | ACROS | WB:晴れ(WC:0,MG:0) | 使用機材:FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
特徴:高品質なモノクロ再現、粒状感が特徴。
解説:モノクロ写真の美しさを追求する人に。
モノクロ
シャッタースピード:1/250秒 | 絞り:F2.0 | ISO:10000 | モノクロ | WB:AUTO(R0,B0) | 使用機材:FUJIFILM X-Pro2 × XF50mmF2 R WR
シャッタースピード:1/125秒 | 絞り:F2.0 | ISO:10000 | モノクロ | WB:AUTO(R0,B0) | 使用機材:FUJIFILM X-Pro2 × XF50mmF2 R WR
特徴:クラシックなモノクロ表現。
解説:ACROSほど粒状感がないが汎用性が高い。
セピア
シャッタースピード:1/160秒 | 絞り:F1.4 | ISO:125 | -1.0EV | セピア | WB:晴れ(R:0,B:0) | 使用機材:FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
シャッタースピード:1/7000秒 | 絞り:F1.4 | ISO:125 | -1.0EV | セピア | WB:晴れ(R:0,B:0) | 使用機材:FUJIFILM X-T5 + XF33mmF1.4 R LM WR
特徴:暖かみのあるセピア調の色味。
解説:クラシックな雰囲気を演出したいときに最適。
フィルムシミュレーションの楽しみ方
フィルムシミュレーションはどれかひとつに絞って撮り続け統一感のある作品群を作り上げていくスタイルと、撮影ごとにローテーションで使用していく使い方があります。どちらの撮り方も楽しいですが、ローテーションでの撮影もおすすめ。
フィルムカメラはほとんど使ったことのない僕ですが、フィルムシミュレーションを変えるだけで本当にフィルムを変えながら撮影しているような感覚が味わえて撮影の楽しさが倍増します。
カスタムレシピで遊ぶ
フィルムシミュレーションは全20種類ありますが、ホワイトバランスやWBシフト、コントラストなどをカスタムすることでその表現の幅は無限大。飽きることがありません。
僕がクラシックネガをカスタムしたオリジナルレシピもあります。その名も「1988’s-classicnega」。僕が生まれた1988年の家族アルバムの雰囲気を目指しました。ぜひ下記の記事をご覧ください。
撮影後に違うモードを適用して遊ぶ
富士フイルムが無料で提供している「FUJIFILM X RAW STUDIO」というソフトを使えば、撮影後に違うフィルムシミュレーションを当てこみたくなっても大丈夫。露出やコントラストなども微調整してパソコンの大画面で作品を仕上げられます(RAWで撮影する必要があります)。
このソフトはカメラの映像エンジンを使用して現像処理を行う方式のため、パソコンが少々重くてもスムーズに作業できます。
※富士フイルムはカメラ内でRAW現像もできます。
フィルムシミュレーション比較表
フィルムシミュレーションのモード別特長相関図(公式サイトより)
フィルムシミュレーションの相関図を公式サイト から引用しました。
個人的には新しい「REALA ACE」が一番クセがなくて使いやすいモードだと感じています。
フィルムシミュレーションの解説書もあります。一家に一冊備えおくと便利です。
リンク
まとめ:フィルムシミュレーションで写真の表現力をアップしよう!
僕が思うフィルムシミュレーションの魅力は、「その場で雰囲気を変えられる」ことと、「撮影をもっと楽しくしてくれる」こと。
どれも使い勝手が良いので、ぜひ自分の好みに合わせて試してみてください。
最後に、僕のおすすめは「クラシックネガ」と「ETERNA」。特に日常の記録や、映画っぽい雰囲気を出したいときに重宝していますよ。
それでは今回はこの辺で。よいフォトライフをお送りください。
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