こんにちは、ドキュメンタリー写真家のT-heyです。
これまでにカメラ約70台、レンズ約60本を所有してきました。私が新聞記者をしていた現役時代は、カメラ2台体制を基本とし、広角ズームと標準ズームのセットを中心に、取材内容に応じて望遠ズーム、マクロ、単焦点レンズを携行して撮影を行っていました。
しかし、撮影業務から離れるとカメラを使用する機会が大幅に減少。さらに、増えすぎた機材の管理に手間がかかり、経済的な負担も大きくなっていました。このままではいけないと感じ、最高の1台を残して思い切って他の機材を手放す決断をしました。
結果的に、必要最小限の機材に絞ったことで多くのメリットを実感しています。
今回は、機材を減らすプロセスとともに、ミニマリズムがもたらした利点についてもご紹介します。
「使わない機材が増えすぎて防湿庫がパンパン」という方や、生活の中で物を減らしたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
ミニマリズムがもたらす5つのメリット
1. 時間を節約できる
増えすぎた機材の選定やメンテナンスにかけていた時間を大幅に削減。限られた機材で撮影することに集中できるようになりました。
2. 管理が楽になる
必要な機材だけを持つことで、収納スペースがスッキリ。防湿庫の管理やバッテリーチャージャーの煩雑さからも解放されました。
3. 経済的負担が軽減する
機材を厳選することで無駄な出費がなくなり、結果として家計の負担が軽くなりました。浮いたお金を撮影旅行などの経験に回すことも可能に。
4. 決断力が磨かれる
持っている機材の選択肢が少ないからこそ、一瞬一瞬の撮影に対する判断力が鍛えられ、構図や設定をより直感的に選べるようになりました。
5. 創造力が向上する
道具の選択肢を減らすことで、限られた環境の中で工夫して撮ることに意識が向き、撮影に対する創造性が高まったと感じています。
機材を減らすまでの道のりと心の整理
収集癖を乗り越えるには時間が必要
もともと収集癖があった私にとって、カメラ機材を手放すのは簡単ではありませんでした。実際、機材を厳選しようと決断してから実行するまでに約2年かかっています。
その間、使わない理由を自分に言い聞かせながら、消去法で少しずつ機材を減らしていきました。最終的に、現在所有している機材は富士フイルム「X-T5」と、同社の標準単焦点レンズ「XF33mmF1.4 R LM WR」のみ。これで十分満足できています。
機材を減らすために自分に言い聞かせた10の理由
1. 妻からの怒りを回避するために
旅行の準備(どの機材を持っていこうか悩むこと)に時間がかかりすぎて妻が怒ることがありました。笑
2. 旅先では結局1台しか使えない
複数台持っていっても、一度に使えるのは1台だけでした。
3. 使わないものは必要ない
結局いつも同じカメラばかり持ち出していたので、使わない機材はいらないのでは…と考えました。
4. 自分らしい写真が撮れればOK
業務ではないのだから完璧な構図や美しさを追求しすぎず、自然な瞬間や感情を大事にしながら撮影できれば満足です。
5. 撮影より旅を楽しむべき
レンズを付け替えて写真にこだわるより、旅そのものを楽しむ方が大切です。
6. 大きな機材が恥ずかしく感じることも
大きなカメラを持ち歩くのは、時に気恥ずかしく感じることがありました。観光地ならまだよいのですが、日常スナップにはちょっと。。
7. 家族に負担をかけないために
コレクションが多すぎると、自分が亡くなった後に家族が処分に困るかもしれません。
8. 機材の良し悪しより腕が大事
高価な機材を使っても、必ずしもよい写真が撮れるわけではありません。究極の一瞬を追い求めるスポーツカメラマンなどは連射速度や画素数などのスペックが上がった方が歩留まりがよいのでしょうが、「アレ、ブレ、ボケ」に憧れている私には機材はなんでもよいのです。
9. 小物が多すぎて邪魔
バッテリーチャージャー、レンズフィルターなどのアクセサリーが多すぎて、収納が煩雑になってしまいました。
10. 経済的負担が増える
マウントごとにレンズを揃える必要があり、費用がかさみすぎました。過去の私は1レンズ1ボディをモットーにしており、レンズごとに専用のボディを購入していたので、お金がなくなってしまいました。。
まとめ:ミニマリズムで写真生活を豊かに
機材を減らすプロセスを通じて、写真に対する考え方やライフスタイルがよりシンプルになり、ミニマリズムのメリットを実感することができました。
特に、円安によるインフレで購入時より高値で売却できた機材もあり、よいタイミングに恵まれたのは幸運でした。
これからカメラ機材を購入する方には、「必要」な機材は迷わず買う一方で、「欲しいだけ」の機材は慎重に検討することをおすすめします。今回のチェックリストを参考にしていただき、限られた機材で写真撮影をより楽しんでください。
ミニマリズムの実践を通じて、シンプルで豊かな写真生活を送りましょう!
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